ベロテロ・フィラー:目の下・ほうれい線・首のシワに使われる理由と持続期間
ベロテロのジェルには、密に架橋された部分とゆるやかに架橋された部分が一緒に含まれています。薄い皮膚に使われる理由、ソフトとインテンスの使い分け、痛みと持続期間までまとめました。
笑顔をやめてもほうれい線が残り、写真に写る首には横ジワが見え、目の下にも細かいシワが定着してきた。スキンブースターやリフティングでケアを続けていても、肌のキメやハリが改善したのとは別に、線だけが残っているケースは少なくありません。
フィラーを調べていると、目の下や首のシワの施術でベロテロという名前をよく目にします。同時に、薄い部位に入れると目立たないか、触ったときに分かってしまわないか、という不安も出てくるのではないでしょうか。この記事では、ベロテロが他のフィラーとどう違うのかから、ソフトとインテンスの選び方、痛みとダウンタイム、持続期間、施術前の確認事項まで順にご説明します。
要約
ベロテロは、やわらかいジェルが組織の間になじむように定着するため、皮膚の薄い部位でもジェルの境目が目立ちにくいヒアルロン酸フィラーです。ひとつのジェルの中に、密に架橋された部分とゆるやかに架橋された部分を併せ持つ製法で作られているためです。目の下表面の小ジワや首のシワにはソフト、ほうれい線や深いシワにはインテンスを使用し、持続期間は部位によって6〜18か月です。
目次
ベロテロは他のフィラーと何が違うのですか?
どんなシワに使いますか?ソフトとインテンスの違いは?
薄い部位に入れると透けたり凹凸ができたりしませんか?
施術は痛いですか?跡は何日くらい残りますか?
どのくらい持続しますか?吸収されたらどうなりますか?
施術前の確認事項と他の施術との併用
よくある質問
1. ベロテロは他のフィラーと何が違うのですか?
最大の違いは、皮膚の下に注入したジェルの縁が、周囲の組織とはっきり分かれないという点です。
注入したジェルは、皮膚の下の組織の間に場所をつくりながら入っていきます。このとき周囲を押しのけてひとつの塊として定着すると輪郭がくっきり残り、上を覆う皮膚が薄いほど、その輪郭が表面に現れます。ベロテロは、ジェルが組織のすき間に枝を伸ばすように定着し、境目がぼやけるタイプです。そのため触れたときに分かりにくく、薄い部位でもジェルがある場所とない場所の差が目立ちにくくなります。
違いはジェルの架橋方法から生まれます
原料のヒアルロン酸はもともと皮膚に存在する成分ですが、そのままでは水のように流れてしまいます。そこで鎖どうしを結びつけて流れないように固めたものがジェルです。どのように結びつけるかでブランドの違いが生まれ、その比較は「フィラーの種類と違い」の記事で詳しくご紹介しています。
ベロテロはジェル全体を均一に架橋するのではなく、密に架橋された部分とゆるやかに架橋された部分をひとつのジェルの中に併せ持たせています。密度の異なる部分をひとつのジェルに収めるこの製法(CPM)を分析した学術資料では、「この製造技術は複数の密度を持つジェル基材をつくる。密な部分は長く持続し、圧力を受けても形が変わりにくく、ゆるやかな部分は注入しやすくし、注入後に押して形を整えられるようにする」とまとめられています (1)。密な部分が形を支え、ゆるやかな部分が組織のすき間に入り込んで噛み合いながら、施術直後に形を整える余地を残す構造です。
なじむということは、散らばったり流れたりしませんか?
広がるというのは組織のすき間に沿って定着するという意味であり、散らばるという意味ではありません。また、密な部分がジェル全体を支えています。同じ製法を扱った研究でも、「ジェルは針を通してスムーズに押し出される一方で、定着した後は移動しない」と説明されています (2)。ゆるやかな部分から先に消えるわけでもなく、ジェル全体がゆっくりと吸収されていきます。
スキンブースターの一覧で同じ名前を見かけた方もいるかもしれません。フィラーは失われたボリュームや深い溝を埋める施術で、ベロテロ・リバイブ(水光注射)は肌内部の水分とキメを整える施術であり、目的が異なります。
2. どんなシワに使いますか?ソフトとインテンスの違いは?
浅く刻まれた小ジワと深く刻まれた溝に使い分けており、上を覆う皮膚がどれだけ薄いか、どれだけ頻繁に折れ曲がるかが基準になります。
ソフト:皮膚が薄く、ジェルが目立ちやすい部位
目元・口元の細かい小ジワ、首の横ジワ、目の下表面の細いシワなどが該当し、皮膚の内側の層である真皮に薄く広げるように注入します。メーカーも、口元の細かい小ジワにおいてこの製品が肌になめらかになじむと案内しています (3)。
インテンス:よく折れ曲がり、溝ができた部位
ほうれい線や深いシワのように、しっかり支える必要がある部位に使用します。国際的な専門家コンセンサス資料でも、インテンスに相当するジェルについて「まとまりのよい性質が、動きによって繰り返し受ける力に耐えるため、持ち上げや輪郭形成に適している」とまとめられています (4)。
同じ目の下でも、何を改善するかで深さが変わります
くぼんで影ができた涙袋の下の溝(ティアトラフ)はボリュームが失われた状態のため、骨に最も近い深い層から上の組織を支え上げます。表面の細い小ジワは、それよりずっと浅い層に広げて注入します。どちらもソフトを使用し、注入する深さだけを変えます。目の下は皮膚が最も薄い部位で、ジェルが透けないことが最優先となるため、硬さよりも組織になじみやすい性質が重要な条件になります。
浅い線と深い溝では、ジェルの役割も異なります。深い溝は下から持ち上げてなだらかにし、浅い線はすぐ下を薄く支えて伸ばします。ただし、どちらを使うかは部位の名前だけでは決まりません。同じ目の下やほうれい線でも、溝の深さや皮膚の厚みは人それぞれ異なるため、診察の中で一緒に決めていきます。
3. 薄い部位に入れると透けたり凹凸ができたりしませんか?
境目は目立ちにくい傾向にあります。輪郭が見えるのは、ジェルが組織とはっきり分かれて定着したときだからです。
浅い層でジェルがひとつの塊として定着すると表面が盛り上がり、上を覆う皮膚が薄いほど、光がジェルに当たって青みがかって透けて見えることもあります(チンダル現象)。ベロテロが浅い部位に使われる理由はここにあります。組織になじみやすく境目がぼやける分、浅い層に入れても透けたり固まったりしにくいのです。前述のコンセンサス資料でも、「やわらかく肌と自然につながるようになじむジェルは、表面の凹凸やジェルの透けを避けるべき浅い層に適している」と説明されています (4)。
ただし、製品の性質だけで結果が決まるわけではありません。必要以上の量を入れたり、合わない深さに注入したりすると、どのジェルでも表面に跡が残る可能性があります。そのため、少量ずつ分けて注入しながら左右のバランスを確認します。
4. 施術は痛いですか?跡は何日くらい残りますか?
痛みの感じ方は2種類に分かれます
深い層に入れるインテンスは、針が最初に入るときにチクッとし、続いて内側から重く押し込まれるような感覚があります。浅い層に薄く入れるソフトは、重さの代わりに皮膚の表面がチクチクする感覚で、スキンブースターを受けるときに近いものです。あらかじめ知っておくと施術中に戸惑うことが減るため、2つの感覚を分けてご説明しています。
痛みの抑え方
麻酔クリームを20〜30分しっかり塗って浸透を待ってから始め、痛みに敏感な方や深く注入する部位には局所麻酔を追加します。さらに、ソフトとインテンスのジェルには麻酔成分(リドカイン)が含まれているため、薬剤が入った後はチクチク感が早く落ち着く傾向にあります。麻酔の待ち時間とデザインの時間を含め、院内での滞在時間は約1時間です。
ダウンタイム
腫れはたいてい3〜7日で引き、内出血がある場合は1〜2週間かけて薄くなります。洗顔と軽いメイクは、針の跡が閉じる3〜4時間後から可能です。同じ1〜2週間は、サウナ、激しい運動、施術部位を強く押す行為は避けることをおすすめします。ジェルが組織のすき間に定着する間、熱や圧力によって形が崩れる可能性があるためです。
5. どのくらい持続しますか?吸収されたらどうなりますか?
種類 | 主な部位 | 平均持続期間 |
|---|---|---|
インテンス | ほうれい線などボリュームを補う部位 | 約12〜18か月 |
ソフト | 首のシワ、目の下表面などの浅い小ジワ | 約6〜12か月 |
平均値であり、注入量や個人の分解スピードによって異なる場合があります。
私たちの体にはヒアルロン酸を分解する酵素がもともと存在するため、注入したジェルも時間とともに少しずつ分解・吸収されます。ここで、先ほどご説明した密に架橋された部分が再び役割を果たします。鎖が密に結びついているほど酵素が内部まで入り込みにくく、その部分が形を保ったまま残る期間が長くなります。
ある日突然しぼむのではなく、数か月かけて少しずつ薄くなっていくため、再注入の際も減った分だけ補えば十分です。完全に吸収されたら元よりたるむのでは、というご質問も多いのですが、ジェルは自らの体積分の場所を占め、その分だけ減っていくものなので、施術前の状態に戻るイメージに近いといえます。
初回の施術後に形が物足りないと感じる場合は、2〜4週間後に追加注入を行います。むくみが引いてジェルが定着した後でなければ、あとどれだけ必要かを正確に判断できないためです。これは数か月後の再注入とは別のものです。
6. 施術前の確認事項と他の施術との併用
事前にお知らせいただき、時期と方法を一緒に決める項目
アスピリン、抗凝固薬など血液をサラサラにする薬の服用の有無(内出血が出やすくなる場合があります)
歯科麻酔での異常反応の経験(ジェルに麻酔成分が含まれています)
ケロイド体質の有無
妊娠中または授乳中かどうか
施術部位の傷や炎症(治ってから施術を行います)
他の施術と組み合わせる場合は、間隔よりも順番が先です
高周波(RF)や超音波リフティングと組み合わせる場合は、土台を先に引き締めてから、同じ日にフィラーを注入します。先にフィラーを受けた場合は、高周波は最低1か月、超音波は1〜2か月後に受けてください。ジェルが定着する前に熱が加わると、予定より早く吸収されたり形が変わったりする可能性があるためです。
ボトックスとスキンブースターは順番が逆になります。同じ日に受ける場合は、フィラーで先に形を整えてから施術し、日を分ける場合は前後に1〜2週間の間隔を空けます。ほうれい線に、笑ったときだけ現れる表情ジワが混ざっている場合は、両方を合わせて診ていきます。
何をどれだけ注入するかは、施術前に決めます。どの部位にどの製品を何回に分けて入れるかを確認してから始めるため、施術中に計画が増えることはありません。
むくみが引いた後の経過を見て追加注入する施術のため、通いやすい距離かどうかも考慮されることをおすすめします。ナヤクリニックは、ソウル・新論峴(シンノニョン)駅7番出口から徒歩3分、江南(カンナム)駅10番出口から徒歩5分の場所にあります。
ベロテロを選ぶことは、製品名を覚えることから始まるわけではありません。その部位を覆う皮膚がどれだけ薄く、どれだけ頻繁に折れ曲がるかが分かれば、必要なジェルの性質は自然と絞られていきます。
7. よくある質問
Q. 首のシワにもフィラーを入れられますか?
可能です。首は顔より皮膚が薄く、うつむくたびに横に折れ曲がる部位のため、ひとつの塊として定着するジェルよりも、浅い層に薄く広がって組織と噛み合う性質が必要です。動き続けても一か所に固まりにくいことからソフトがよく選ばれ、シワの深さや状態によって量が変わるため、診察の中で一緒に決めていきます。
Q. 触ったときに何かある感じが残りませんか?
残りにくい傾向にあります。ジェルが組織のすき間に噛み合って定着すると、ひとつの塊として定着する場合に比べて指先に触れる感覚が少なくなります。ただし、量が多いとどのジェルでも触れて分かることがあるため、少量ずつ分けて注入します。
Q. 笑ったり話したりするときに不自然に見えませんか?
ほうれい線は表情に合わせて頻繁に折れ曲がる部位のため、動きに耐えながらも一緒に動く性質が必要です。一度にたくさん埋めるとその部分だけ硬く見えることがあるため、分けて注入しながら表情を作っていただき、確認します。
Q. とても深いほうれい線でも、一度でなくなりますか?
一度で平らにするよりも、なだらかになる方向で整えます。すべて埋めようとすると周囲となじまず、かえって不自然になる可能性があるためです。
Q. 浅い小ジワなのですが、フィラー以外の施術のほうがよいのでは?
目的が異なります。線がくっきり刻まれている場合はその下を埋めて支える施術が、肌全体がカサついて内側が空っぽな感じがする場合は、肌の内側を満たす施術が適しています。
本内容は医学的な情報提供を目的として作成されたものであり、個人の状態によって効果・副作用は異なる場合があります。正確な診断と施術の可否は、医師にご相談のうえご判断ください。
本文の理解を助けるため、一部の画像はAIで生成されており、実際の施術結果とは異なる場合があります。
参考文献・出典
(1) Vandeputte, J Clin Aesthet Dermatol, 2018
(2) Micheels et al., J Clin Aesthet Dermatol, 2015
(3) Merz, BELOTERO 公式製品情報
(4) van Loghem et al., Clin Cosmet Investig Dermatol, 2021

院長
